東証が発表した新市場区分の保有株への影響は?

東京証券取引所の市場区分に関する新制度案が公表されました。

  • 4市場から3市場に再編
  • 2022年4月の移行を目指す
  • プライムは「流通時価総額」が100億円以上
  • 現在の東証1部銘柄はプライム残留可

見事なまでの骨抜き案になりました。

これだったら今のままでいいんじゃねという感じ。

そもそも「東証1部へ上場する際の基準は原則として時価総額250億円以上」となっていて、これを厳密に運用してれば良かったのに、2部やマザーズからの指定替えでの基準を40億円以上と緩々にしたのが問題だったのでは?

結局、元の東証1部基準よりも緩いプライム基準って何なんでしょう?

ここまで意味のないものになるとは驚きです。

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保有銘柄への影響

「流通時価総額」が100億円以上とは

当初、時価総額500億とか、250億とか数字が上がっていましたが、最終的に「流通時価総額」という考え方を出してきました。

流通株式とは上場株式数から、

  • 役員所有株式数
  • 自己株式数
  • 上場株式数の10%以上を所有する者が所有する株式数

これらを引いたものとするようです。

ただし、「10%保有」でも「投資一任契約などに基づき投資運用を目的とする」株式などは流通株式扱いになるようです。

流通時価総額 = 流通株式数 × 株価

ということになります。

創業一族が大株主で上位に多くいるとか、親子上場の子会社とかでは時価総額に比べて大幅に低くなる可能性があります。

サンセイランディック(3277:東証1部)

保有する主力銘柄の中で影響が出そうな銘柄の一つがサンセイランディック(3277)です。

  • 時価総額:70億円くらい
  • 1位 松崎隆司:15.5%
  • 2位 松浦正二:5.4%

他にも創業者家族の名前が上位に入ってます。ただ役員ではないので差し引かないとして、1位と2位は社長と専務なので差し引く対象。

ザックリ20%として、流通時価総額は

70×0.8=56億円

ということになってしまいます。元々の70億円でも足りませんが、流通時価総額にするとさらに不足します。

ただし、このような会社でも当面は希望すればプライム市場に残留できるようです。

日本社宅サービス(8945:東証1部)

主力銘柄でもう一つ当落線上なのが日本社宅サービス(8945)です。

  • 時価総額:110億円くらい
  • 1位 自社(自己株口):10.6%
  • 2位 光通信:9.3%
  • 3位 笹晃弘:7.3%

となってます。

1位は差し引き対象、3位も会長なので役員ということで差し引き対象。2位の光通信は10%を切っているので対象外ですが、仮に買い増しをして10%を越えたらどうなるか微妙。

取りあえず1位と3位分を割り引くと、

流通時価総額=90億円ほど

ということになり、新基準を割ってしまいます。ただ株価次第で越えられる水準です。

ここは順調に成長して行けばあと2年で基準は普通に超えて来るかなという感じ。

村上開明堂(7992:東証2部)

村上開明堂は現在東証2部ですが、プライムの基準を満たします。

  • 時価総額:350億円くらい
  • 1位 (株)豊英社:14.2%
  • 2位 村上太郎:10.8%

1位と2位は差し引き対象として、4分の1くらい減になっても250億円ほどの時価総額となります。

今まで東証1部に興味が無くて2部にとどまっていた会社が、どうせならこの機会にということでプライムに行くかもしれません。

東証1部の小さい会社ばかりとやかく言われますが、逆にプライム基準を満たす東証2部、ジャスダック、マザーズ企業がどれくらいあり、そこがどういう選択が可能なのかも気になります。

当落線上の会社はどうなる?

既に1部上場している会社は、当面は基準を満たさなくても残留が認められるようです。ただし、猶予期間があるものなのかどうか、降格基準などは不明確です。

個人的には、上場市場がどこであろうと会社の良し悪しとは無関係だと思うのですが、現実問題として「東証1部」という看板を掲げると会社としての信頼が向上し、営業上で有利になる場合も多いようなので、プライム維持にこだわる会社も出て来るかもしれません。

あと投資家の間でよく言われるのが、インデックスファンドの購入対象になって株価が上がるというものです。これも実際のところは怪しいです。そもそも時価総額が豆粒ほどなので、買われたとしても僅かです。しかも株価が上がれば売る人も出て来るので、結局のところ会社の価値に収束すると思ってます。むしろ、中小型株や新興株のファンドに組み込まれるかどうかの方が影響がありそう。

 

当落線上の会社が取る行動として一番必要なのは、会社の業績を上げて株価を上げ、時価総額を増やすことだと思いますが、それを言ったら終わりなので小手先の方法として、

  1. 公募増資
  2. 売りだし
  3. 増配 or 株主優待新設
  4. 上場廃止(子会社の場合)
  5. スタンダード市場へ行く
  6. 様子見

という感じでしょうか?

公募増資と売り出しは流通株数を増やして、時価総額から引かれる割合を減らすことになります。ただし、会社の価値が向上するわけではないので、一時しのぎだし、株主構成によっては実施が難しい。

増配 or 株主優待新設は、株主への還元を増やして株価を上げることで時価総額を増やそうということです。会社の価値を変えずに時価総額を増やすドーピングのようなものです。成長に必要な資金を分配することになりかねないし、既に実施している会社は難しい。

親子上場している会社の場合は上場廃止にするとか、プライムに拘りが無ければスタンダードに行ってしまうとかもありそうです。

既に東証1部の場合、希望すればプライムに残留できるようなので、当面様子見のところもあるでしょう。

 

まだ2年ほどあるので今から騒いでも仕方ないですが、それにしてもここまで骨抜きな内容にされるとは・・・、そっちの方がビックリです。

当初は「プレミアム」と言われていたのに、今回は「プライム」になってました。プライムと言われるとAmazonプライムのイメージなのですが・・・。

そういえばAmazonプライムの更新日がもうすぐ。メリットを見直して解約を検討せねば。

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